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Theodor Döhler
(1814年4月20日 - 1856年2月21日)

テオドール・デーラー(Theodor Döhler, 1814-1856)は、イタリア出身のピアニスト・作曲家。ナポリ生まれ。幼くして音楽の才能を現した彼は、当時ナポリを訪れていた作曲家J.ベネディクトの目に留まり、その弟子となった。1829年にはウィーンへ行き、ピアノをチェルニー、作曲をゼヒターに師事している。

1831年、デーラーは、ルッカ公爵の宮廷ピアニストに任命され、1836年には欧州諸国への演奏旅行を開始した。ドイツ(1836年)、イタリア(1837年)、パリ(1838年)、ロンドン(1839年)、オランダ(1839年)、デンマーク(1843年)、ロシア(1843年)等を訪れ、各地でヴィルトゥオーゾとして名声を博したが、特に、1838年4月にパリ音楽院で開いた演奏会は大成功を収め、彼の評判を飛躍させることとなった。1846年には、ルッカ公爵によって貴族に叙せられ、ロシアのチェルメーテフ(Chermetev)伯爵夫人と結婚している。その後、デーラーはパリを訪れるが、この頃から脊髄病に苦しめられるようになった。1848年にはフィレンツェに定住するが、病状は悪化の一途を辿り、1856年に同地にて世を去った。

作品は、ピアノ独奏曲が中心で、練習曲や夜想曲(特にOp.24が人気を博した)、歌劇の主題に基づく幻想曲や変奏曲などがあり、それらは華麗で優雅な作風で書かれている。他には、ピアノ協奏曲(Op.7)や歌劇《タンクレーダ Tancreda》(遺作、1880年初演)、歌曲などの作品がある。

作曲家名の別表記: Theodor von Döhler、Théodore Döhler、Théodore Dœhler
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